令和4年度須賀川市俳句ポスト年間受賞句が決定しました
令和4年度須賀川市俳句ポスト年間特選・秀逸・入選句および年間優秀校
一般の部
<年間特選句>
牡丹賞
煮こぼれていちじくにある花の色
古川春枝 福島県須賀川市
【選評】日々の忙しさの中、指一本で情報が押し寄せる現代において、俳句は実に静かである。家庭人として大部分の時間を過ごす作者は、日常から題材を流離させることなく、いちじくに仮託し見事に佳句を手中にした。煮こぼれたいちじくを詠んでいるのだろうが、句の内意のウェイトは花にあるのではないか。いちじくの花は花嚢のため、あまり知られていない。
作者は一度の花の出会いにこだわったのである。煮こぼれたいちじくに視覚と臭覚が刺激され、花の色が蘇った一瞬の感慨を言葉に変えた。言葉にはエネルギーがある。俳句形式は人の心を癒す。掲句もその一つだろう。俳句と作者はいま相思相愛の中にいる。(桔槹吟社同人 金子秀子)
<年間秀逸句>
赤松賞
下の川桜うねりの中流る
渡辺圭子 福島県須賀川市
翡翠賞
走る子の手からほおずき転がりぬ
新田純子 福島県須賀川市
子どもの部
<年間特選句>
ぼたん賞
里いもに地層のようなしま模様
樽川知怜 須賀川市立西袋第二小6年
【選評】里いもにはたしかに地層のような縞模様がありますね。すごい発見です。やられたと思いました。私は七十年近く生きてきましたが、この俳句に出会って、里いもの縞模様がありありと実感できました。そしてこれからはその縞模様を見るたびに地層だなと思うことでしょう。
そうです、この俳句にはあなただけのオリジナルな発見があります。大人になるにつれて、そういう発見や驚きがだんだん少なくなってきますが、あなただけの素敵な発見や驚きを大切にしてください。そしてこれからもこんな風に誰にも思いつかない俳句をつくって周りの人たちをおどろかせて、喜ばせてください。(桔槹吟社同人 髙市宏)
あかまつ賞
たいふうのたぶんなかにはりゅうのしろ
藤田悠真 須賀川市立柏城小2年
かわせみ賞
はなごおりとけてはなびらでていたよ
武田雪 須賀川市立第二小1年
<年間入選句>
届きそう松明あかし星にまで
根本ももか 須賀川市立第二小2年
わたり鳥いろんな山をこえてきた
𠮷田行玖 須賀川市立柏城小3年
あきのそらサッカーボールたかくける
樽川結南 須賀川市立第一小4年
十五夜にてらされている好きな本
阿部心咲 須賀川市立第二小5年
初売りを待っている間に日がのぼる
小川慶悟 須賀川市立西袋第一小5年
雨の日の太陽のよう鬼灯は
五十嵐心 須賀川市立仁井田小6年
はつ日の出ぼくの家からみる希望
白石遼羽 須賀川市立柏城小6年
等躬賞
須賀川市立西袋第二小学校