テーマ展「等躬忌の集い」
2021年11月15日 ~ 2021年12月6日
正徳5年(1715)11月19日は、芭蕉を迎えた須賀川の俳祖・相楽等躬の命日です。
現在、当館では相楽等躬直筆短冊や巻子芭蕉・曽良・等躬三子三筆詩箋を展示しています。
〈おもな展示作品〉
短冊 あの辺ハ津久羽山哉炭けぶり 相楽等躬 (個人蔵)
短冊 梅飛んでくなき水を鏡哉 相楽等躬 (個人蔵)
掛軸 芭蕉翁多代女句賛(しぐれにも雪にも旅や我が仏) 谷文中 (当館蔵)
短冊 湯上りやよきほどづゝの秋の風 市原多代女(個人蔵)
(巻子芭蕉・曽良・等躬三子三筆詩戔)
芭蕉と河合曽良が『おくのほそ道』の旅の途次、須賀川に立ち寄った際、相楽等躬の求めに応じて染筆し、等躬の返詠に加えて巻子に仕立てたものです。
芭蕉と曽良が到着した初日に、等躬と三吟歌仙を巻いた際、芭蕉が詠んだ「風流の初やおくの田植うた」をはじめ、三人の句が書かれています。
中国(明)から舶載された挿絵入りの貴重な詩戔として使われており、芭蕉に対して最大限の厚意をもって染筆を依頼したことがうかがえる資料です。
芭蕉や曽良の真筆であることはもちろん、等躬の直筆として現在確認されているものは極めて少なく、『おくのほそ道』の記述を裏付けるものとしても重要な資料ですので、ぜひこの機会にご覧ください。
展示期間 11月15日(月)から12月6日(月)
休館 火曜日(祝日の場合は翌平日)
場所 文化伝承の間 9:00~17:00