テーマ展「季語からみる松明あかし」
2021年10月6日 ~ 2021年11月14日
須賀川の伝統行事「松明あかし」を季語にしようという桔槹吟社の永年の運動が実り、二〇一八年、角川書店編「俳句歳時記第五版」に冬の季語として収載されました。
この火祭りは十一月第二土曜日に、須賀川市翠ヶ丘公園にある五老山で行われ、紅蓮の炎が初冬の夜空を焦がします。(令和三年は新型コロナウィルス感染症の拡大防止のため関係者のみで実施されます)
二〇〇八年十一月、「松明あかし」に感銘を受けた金子氏は、五句を詠み、そのうち二句を色紙に揮毫し、須賀川市に寄贈しました。
火の柱の火の壁の松明あかし
夢寐(むび)照らす巨大劫火の祭かな
松明あかしの巨火火柱澄明なり
城も城下もし尽くされしぞ松明あかし
帰路の背に落城のごとし松明あかし
<桔槹創刊当時の松明あかし句会について>
須賀川の俳人の間では「松明あかし」を見ながら会場近くの同人、竹内翠玉宅で句会が行われていました。当時は「貉狩句會(むじながりくかい)」と呼んでいたようです。
(当時使われていた季語)
「松明(まつあか)し」「大松明(おおたいまつ)」「大明(おおたい)松(まつ)」「小明(こたい)松(まつ)」「明松(たいまつ)」「炬(きょ)火(か)」「むじな狩」
テーマ展「季語からみる松明あかし」では松明あかしを詠んだ俳句を展示しています。
(おもな展示作品)
火の柱の火の壁の松明あかし 金子兜太
星ひとつふたつ松明あかし待つ 片山由美子
須賀川に火祭二つ冬が来る 森川光郎
松明あかし天に梯子をかけにけり 斎藤 耕心
展示期間 10月6日(水)から11月14日(日)
休館 火曜日
場所 文化伝承の間 9:00~17:00